ところで、「雨の町」は50000000円という低予算だったせいか、通常の劇場では公開できず、渋谷の何処かで単館上映となり、私も舞台挨拶に駆り出された。その際、右手で真木よう子、左手で成海璃子の手を握ってスクリーン前に並んだ記憶がある。ウフフ。
残念ながら「雨の町」は、その後お二人の出演作として言及されることも無く消えてしまったが、見返すと中々に面白い。ちっとも雨が降らないのは問題だし、低予算も見え見え。しかし、森のなかで主人公が、神隠しにあって若いままの成海璃子と邂逅するシーンの詩情は特筆に値するし、おかしな作家に扮した私の演技ももっと絶賛されていい。日本アカデミー賞の選考委員どもは何処に目をつけているのかと言いたい。
振り返ってみると、ほとんど家から出ない1週間であった。風邪のせいもあるが、創土社のMさんや他社の方々にもご迷惑のかけっぱなしだった。血沸き肉躍る作家冒険記を期待していたファンの皆さんにも深くお詫びする次第である。次ぎは何かやります。
しかし、今どき風邪ひとつまともに治すくらいの薬も作れない製薬会社や、医学界にも問題はある。責任を取らんか。
とにかく、今回はこれでお別れである。またいつかお目にかかりましょう。バイバイ。
菊地秀行でした。